
ごほうびは居酒屋で 1〜4巻(たのまゆうむ)作品紹介・あらすじ・見どころ(※ネタバレ控えめ)
仕事も恋も空回りして、心がカサついてしまう夜。
そんな日に限って、コンビニ惣菜すら「違う…」って思ってしまう。――でも、ふらっと入った小さな居酒屋で、湯気の立つ“今日いちばん食べたいもの”が出てきたら?
『ごほうびは居酒屋で』は、失恋でボロボロになった汐里(しおり)が、店長・迅(じん)の作る料理とお酒、そして“店のあたたかい空気”に救われていく、グルメ×大人のラブロマンスです。1巻は2022年6月3日、2巻は2022年9月5日に紙のコミックスとして刊行され、3巻・4巻は電子版のみで配信されています。
✅ 作品情報(基本データ)
作品名:ごほうびは居酒屋で
著者:たのまゆうむ
出版社:白泉社
掲載レーベル/誌:Love Jossie
ジャンル:グルメ/大人の恋愛/癒し系(“ごはんが心をほどく”タイプ)
刊行状況(1〜4巻)
1巻:2022年6月3日
2巻:2022年9月5日
3巻:2023年12月20日(電子版のみ)
4巻:2025年6月4日(電子版のみ)
あらすじ(導入)
汐里は29歳。5年付き合った彼氏から「結婚するつもりなんて一切ない」と告げられ、突然の別れに心が折れてしまいます。仕事でもミスが続き、食事を作る気力もない。
そんな最悪の一日の終わり、偶然見つけたのが小さな居酒屋。そこは「店長が“今日自分が食べたいもの”を作って出す」という、ちょっと変わった店でした。笑い声があって、湯気があって、飲み物が冷たくて、料理があたたかい。
汐里は気づけば、その夜を“ごほうび”と呼びたくなる――そして、ごほうびは料理だけでは終わらない。
この作品の“刺さる”ポイント(見どころ)
1) 「恋がうまくいかない日の胃袋」をちゃんと救ってくれる
失恋ものって、心の痛みの描写だけが濃くなりがち。でも本作は“食”があるから、落ち込む→立て直す→また少し前を見る、という回復のリズムがすごく自然。
「ちゃんと食べる」って、誰かに説教されると腹が立つのに、迅の料理だと不思議と受け取れてしまう。そんな“静かな救済”が毎話積み重なっていきます。
2) 店長・迅が「優しい」のに、距離感がリアル
迅は押しつけがましくない。慰めの言葉を乱発しない。でも、客が一番ほしいタイミングで、一番ちょうどいい温度の料理を出してくる。
この“言葉より先に差し出される優しさ”が、汐里の警戒心をゆっくり溶かしていくんです。
3) 常連たちの空気が、ドラマを甘くしすぎない
居酒屋の常連って、ただの賑やかしに見えるけど、本作ではちゃんと「社会」になっているのがいい。
誰かが落ち込んで来ても、過剰に踏み込まず、でも放っておきもしない。――この店が“帰れる場所”になっていく説得力が強いです。
各巻まとめ(1〜4巻)※ネタバレ控えめで流れがわかるように
1巻:出会いは「救い」みたいな一杯から
1巻は、汐里が失恋直後に居酒屋へ辿り着き、「今日はもう無理」と思っていた心身が、料理と店の空気で少しずつほどけていく“再起動”の巻。
迅は恋愛的に急接近するタイプではなく、まずは“店長として”汐里を迎える。その距離が逆に優しくて、汐里も素直に笑える時間を取り戻していきます。
収録はstory01〜05(描き下ろし漫画も収録)と案内されています。
1巻の見どころ
「疲れてる人に、まず温かいものを出す」迅の店づくり
汐里の“強がりがほどける瞬間”の描写
居酒屋が“恋の舞台”である前に、“回復の場所”になっている
2巻:近づきたい、でも怖い。距離が揺れる“大人の恋”
2巻は、汐里の中で「迅さんが気になる」がはっきり輪郭を持ち始める巻。
“客と店長”の関係のはずなのに、二人きりの時間が増えるほど、言葉にできない期待が膨らんでしまう。
一歩踏み出すのは簡単じゃない。過去の傷があるからこそ、汐里は臆病になる。でも、その臆病さがリアルで、応援したくなるんです。
収録はstory06〜10(Love Jossie掲載分を加筆修正)と明記されています。
2巻の見どころ
「恋人がいない」と知った瞬間の、胸の高鳴りと罪悪感の混ざり方
近づくほど“失うのが怖い”になる汐里の心理
料理がただのグルメ描写じゃなく、会話の間(ま)を埋める演出になっている
3巻:曖昧な関係に、季節が背中を押す(電子版のみ)
3巻は、関係が“穏やか”になったからこそ、汐里が悩み始める巻です。
ここが本作のうまいところで、ドキドキのイベントが起きているのに、派手な煽りはしない。むしろ「このままでも幸せ。でも、進みたい」という静かな焦りが中心になる。
収録はstory11〜15、そして秋の味覚を堪能する描き下ろし漫画も収録と案内されています。
3巻の見どころ
“穏やかさ”があるからこそ生まれる迷い
迅の優しさが、汐里の覚悟を試す形になる(押さないのに、効く)
季節のメニューが、恋の温度を上げすぎず、じわっと上げていく
4巻:大事なものを失いたくない。だからこそ、言葉にする(電子版のみ)
4巻は、汐里が「これ以上、大事なものを失いたくない」と感じてしまう巻。恋って、幸せになりたいのに、同時に怖くなる。
迅との時間が増えるほど想いが加速するのに、臆病になってしまう汐里の揺れが丁寧に描かれます。
収録はstory16〜20(Love Jossie掲載分を加筆修正)で、**寒い日に合う“美味しい描き下ろし漫画”**も収録と案内されています。
4巻の見どころ
“好き”の先にある怖さを、逃げずに見つめる汐里
二人きりの時間が増えるほど増す、関係の重み
料理と酒が「癒し」から「決意の背中押し」に変わっていく
登場人物(主要)
汐里(しおり):失恋と仕事の不調でボロボロになりながら、居酒屋で少しずつ自分を取り戻していく29歳。
迅(じん):小さな居酒屋の店長。“今日食べたいもの”を作る食いしん坊で、押しつけない優しさの持ち主。
常連たち:店の空気を作る人々。恋愛ドラマを現実に繋ぎ止める“生活の温度”担当。
読後感:この漫画は「大人のための回復食」
刺激的な恋愛よりも、じわじわ沁みるタイプのラブが好き。
疲れた日に、甘いだけじゃない優しさがほしい。
そして何より、「ちゃんと食べて、ちゃんと眠って、また明日へ行く」物語が読みたい。
そんな人に、『ごほうびは居酒屋で』はかなり効きます。1巻で“呼吸”が整い、2巻で“心拍”が上がり、3巻で“迷い”が生まれ、4巻で“覚悟”が見えてくる――1〜4巻は、その流れがとても綺麗です。
1〜4巻 収録話(公式・配信情報ベース)
1巻:story01〜05(描き下ろし漫画あり)
2巻:story06〜10
3巻:story11〜15(秋の味覚・描き下ろし漫画あり)
4巻:story16〜20(寒い日に合う描き下ろし漫画あり)